私、何してんだろ。目の前が霞んでよく見えない、や。喉の奥に吐き気がするくらい大きな塊がある気がする。この塊のことをなんて言うんだろう。きっとそんなこと神様だって知らないんだ。只、目の前の、悠一郎の顔があまりにも苦しそうで見ていられないのは分かる。そう、まるでここは海の中のようで、無音で無情で、そして冷たくて優しいんだ。だけどここは無音な訳じゃない、でも私の耳は今どんな音さえも受け付けない。体中の感覚は麻痺し、分かるのは悠一郎と繋がっているということ。
悠一郎に抱かれていること。

どうして抱かれているんだかよく記憶に無いけれど、悠一郎の苦しそうな顔と吐息だけは鮮明に思い出せる。いつも笑う田島が何でこんな苦しそうな声を出すのか、苦しそうな顔をするのか良くわからない。何悩んでるの?何に苦しんでいるの?わからない分からないワカラナイ。教えてくれたっていいじゃない、抱かれてあげてるんだから。友達でしょ?

「っ…じ、ま」
「声出して」

早くなっていくピストン。同時に私の腰も揺れる。口を開けたままで、垂れ流しだった声のもとに田島の舌が入り込んできた。どろっとした唾液が喉の奥の大きな塊へ流れ込んでくる。その唾液は喉をつたいカラダ全体を犯していった。
別に田島は嫌いじゃない、寧ろ好きだ。好きすぎて可笑しくなってしまうくらいに、そして破裂しそうなほど愛してる。だから私は田島との性行為を拒まなかったのかといえば嘘になるだろう。誰にでもあるでしょ?第六感ってヤツが。何となく、コレを拒んだら田島が壊れちゃいそうな気がして拒めなかったってのが正解なんだと思う。

「も、らめぇっ…んはぁっ、きそ、だょおっ」
「っく、
「っぁあんっ」

ドクドクと中へ流れ込んでくる田島のモノ。生暖かいそれがカラダを犯していくのを感じたまま、ゆっくりと目を閉じた。荒い息はそのまま。何も変わらないままがいい、このままがいい。田島に犯されたままで、何も変わらないままでいい。
避妊、してなかったけど大丈夫、かな…。ワカンナイや。まあ授業抜け出してヤッてれば避妊できないのなんて当たり前なんだろうけどね。私は子供ができても構わないよ、田島との子供なら可愛いだろうし。あ、何でだろう、また喉の奥に大きな塊ができた気がする。喉が焼けたみたい、痛い、苦しい、苦しくて涙が溜まってく。どうやったらこの塊を取り除けるんだろう。

「た、じま」

苦しくて名前を呼んだ。田島は一瞬苦しそうな顔を見せて胸の中に堕ちた。モヤモヤするモヤモヤする。誰か助けて。田島、助けて。笑って、ねえ。そんな苦しそうな顔をしないで?田島がその顔をするたび壊れそうになるんだよ、お願い。笑って。
高校生2人がいくら悩んでても、苦しんでてもあの空はキラキラ輝いたまま私たちを見下ろしてる。見下ろすな、壊れちゃえ。輝くな、色褪せろ。悲しくて、悔しくて、田島の背中に回した手に力がこもった。私、田島の力になれた?ねえ、何で笑ってくれない?空は、あんなにも輝いてるのに、私は力になれなかったの?

「田島、」
ごめん」
「謝んないで」
「ごめん」
「謝んなくていいから、」

「笑ってよ」
「俺」

が好きすぎて、苦しい」


「タスケテ」田島がそういう目をしてる。なんて答えればいい?「私も好きすぎて苦しいよ」とか?きっとそんなこといっても私の喉の大きな塊は、壊れない、流れない、無くならない。ああああああ!!なんで出てこない?!力になりたいのにどうして力になれない?!もっと、もっと大人だったら、この大きな塊の消し方を知っている私なら、ゲンミツに田島を助けてあげられるのに、役立たず。私の、役立たず。結局私から出てくるのは答えを知らない子供の言葉だ。

生ぬるい風が吹き付けた。空は相変わらず私達を見下ろしている。私も相変わらず海の中だ。田島は眉を顰めて私を見つめる。私は田島の瞳に映る私を見つめた。右耳から左耳に流れる風のBGM。心地悪い気温。いっそのこと冷たい冷気の中に私を放ればいい。どうせ壊れた世界なんだから。
私は田島を抱きしめた。田島のカラダはやけに冷たくて、生気が感じられない。表情は相変わらず険しい、きっと私も今こんな顔をしてるんだろうな。逆に笑えちゃうかもしれない。田島も私も同じだなんてね。


「苦しくなるくらい、私を抱いていいから」






















スーパーウーマ



ンは私じゃない
                   そして田島は私から伝う白濁を悲しそうに舐めとった。

































070910  貴方の笑顔を守りたかったのに、私が貴方から笑顔を奪ってしまったなん、て。(壊れた愛を書きたくて)