繋いだ手に暖かさを感じなくなった。悠一郎の手より、私の手が冷たくて、何で私がこんな手を冷たくしなきゃいけないんだろう、と思った。怖くて震えが止まらなかった。君が次に何を言うのか怖くて、いつも何も聞かないような振りをした。
千代は、最近悠一郎と仲が良くて、(一方的に悠一郎が絡んでるみたいだけど)私と居る時間より千代と居る時間のほうが長いんじゃないかと思うくらいだ。いつのまにか千代に私の居場所を盗られてしまった。(こんな言い方、いけないのは分かってる)

「今日しのーかがな」
「…………」

彼女の前で、他の女の子の話をするなんて、私のことを考えていないのね。だったら付き合う前のほうが良かった。悠一郎は、付き合う前のほうがずっとずっと優しかったし、私のこと考えてくれた。もっと、手が暖かかったよ。悠一郎の手は、暖かかった。
付き合ってすぐ買ったイヤホン、本当はこんなために使うはずじゃなかったんだけど、ね。今このイヤホンは悠一郎の声を聞かないために使ってる。怖い怖い怖い怖い。嫌われたくない、けど嫌いになりたい。複雑ね、女って。

「ね、何でイヤホン外さないの、」
「……………、私、悠一郎の声聞きたくないの」

少し驚いたような顔をしてから繋いだ手を痛いくらいに握り締められた。そんな顔しないで、泣きたくなるじゃない。千代が好きなんでしょう?私なんかに構わないで、これ以上掻き乱さないでよ!

「何で」
「悠一郎が、」

「悠一郎がいけないんだよ。嫌いよ、悠一郎なんて」そう言うと、返事が怖くなってボリュームを3つ上げた。周りの音は微かにしか聞こえない。誰かに私の気持ちがわかるのだろうか?好きだから嫌いになりたい。でも嫌われたくない。こんなにも強く人を想ったことも無い。どうしていいか八方塞になって苦しんだこともない。本当にどうしようもない、もどかしい。

「嫌い、嫌い。」
、なん、で?俺、何かしたっ?!何かしたの!?」

聞きたくない。聞きたくないっ!悠一郎の声なんて聞きたくないんだっ!!!鼓膜が破れるギリギリまでボリュームを上げる。イヤホンからは悲しい恋の歌が流れる。あ、このフレーズ好き、だ。−声を聞くと孤独になる−まるで私の心情だ。なんていいタイミングング流れてくるんだろう。涙が滲むじゃない。

「教えてっ!俺悪いところ直すからっ!!」
「…………………」
「なあっ、何か言えよっ!!」
「…………………」


「なあ…、返事、してよ。お願い………っ」







一残酷
な嘘で。

(ぽっかり開いた穴を埋めるものなんて無い。)







泣くように問いただす悠一郎に、笑顔の一つもあげられない。






























































「嫌い、嫌い。」




そう言われてから夜も寝れなくなった。何度も何度も寝返りうったし、何匹も羊を数えた。けど、ネレネー。部活にも集中できないし
ゲンインがワカラナイから胸がチクチクしたりぐ――――――って締められるみたいになるのも治んない。

「ねみーっ!」
「お前珍しく授業中寝てなかったもんな」
「どっかおかしいんじゃねえの?」
「泉、いくら田島が変だからってそれはどうかなと…」
「だってこいつ等(三橋と田島つーか浜田!お前も)いつも寝てるんだぜ?!」

浜田と泉が何か言い合いしてるけど、どうでもいいや。絡む元気もでないし。部活まで身体持つかなー。

「で!何か悩みでもあんのか?」
「泉なんで俺のセリフを盗るの?!」
「(無視無視)話してみろよ。それなりに答えてやるからっ」

悩み?悩み、悩み……。大体俺が悩んでるのって、どうして悩んでるかよくわかんねーんだよなぁ。兎に角話してみればらくになんのかな?こう、心臓の痛みとか。

「なんか、に嫌いって言われてからさ、ネレネーんだよな。胸もギュ―――ってなるし、よくワカンナイ」

そう言うと泉と浜田は顔を見合わせて「あれか」とか「あれしかねーな」とか言ってるし、三橋は三橋で2人の輪の中に入って「俺も!あれだと、思う、よっ!」なんて俺が知らないっぽい話をしてるし、なんなんだよ。なんでのこと、俺が知らないのこと知ってんの?イライラするイライラするイライラする。は、俺のなのにっ!!

「はっきり言えよ!なんなんだよアレって!」

息を荒げて怒鳴る俺に驚いたのか、呆然とした眼で3人は俺を見てくる。俺、普段こんなおこんねーもんな。そりゃ俺も三橋がこんなことしたら驚くだろうけどな。キモチはワカラなくない。(と思う)

「はあ…あのな、はさ」
「はっきり言って田島のせいでんなこと言ったんだよ。」
「(お、俺のセリフ…(泣))…心当たり、無い?」

「無い、けど」

そんな俺がじれったいのか、泉は苛立ちをアラワにした表情で俺を睨んで溜息を漏らす。なんだよ、俺の何処が悪かったの?は何も言わなかった。のに。




はさ、田島がしのーかの話ばっかりするから、しのーかに妬いてるんだよ」





「は、」

何で気がつかなかったんだろ、俺、スゲーばかだ。自分ばっかで、気がつかなかった。
座っていた椅子から飛び上がるように立つ。「せんせーに言っといて!」って叫んだ後教室を飛び出た。言葉足りなくても、泉なら分かるだろうし。あー!また自分のことでいっぱいいっぱいになっちゃいそー!!

教室のドアを大きな音をたてて開けた。目に飛び込んだは俺の突然の登場に驚いているみたいで、一瞬呆然としてから鞄から焦ってイヤホンを出そうとしていた。「田島?!」なんてハナイが俺のこと呼んでるけど、今はが先!の前まで歩いていくと、その手をしっかり掴んだ。

「何、言ったじゃん。嫌いって」

「何…よ」
「分かるよ、俺。泉に言われて、分かった。」
「私の何が分かるの?!」
「分かる。が嘘ついたことぐらい!」










の瞳が揺れた気がした。









何度でも
救うから


(君に開いた心の穴に滑り込んで、君を埋めてあげる)































「好きだから、わかる」









































070825 訳がわからん…。軽くスランプ。田島が好きすぎて田島ー田島ー(3Uだ…ウルサイ ウザイ ウットウシイ)どうしよう。10000HTリク中にスランプって。うわぁ―――…。