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家は隣同士、生まれた病院、幼稚園、小学校、中学校ってずっと一緒だった奴がいる。勿論高校も一緒だが、俺が部活に入ってからは顔を合わせる機会も少なくなっていった。今は部活で手一杯だし、まあそれでいいと思ってた。 そんな、まあ俺にとって何時も通りの日。 「あ」 「え」 雨は上がって、空は晴れてるし、部活も珍しく休みだから散歩にでも行こう思って外に出た途端、ばったりと幼馴染と顔を合わせた。 「隆也が休みに外に出るなんて珍しいね」お前こそな。 「そうだ!ねえ隆也。暇なら一緒に来て欲しいところがあるんだけど!良い?」 どうせ断わったって、お前のことだから無理やり引っ張っていくんだろ。 「よく分かったね!さっすが隆也。関心関心」 は、俺の手を取ってこっちこっちと笑って歩き出した。 歩くリズムに合わせて、の肩にかけてある青い鞄と、さらっとした髪の毛が揺れた。シャンプーの香りが鼻の先をくすぐる。 女の子らしい、そんな匂い。って、何言ってんだ俺。 そう言えば昔もこんな風に、に引っ張られてどこかに遊びに行った気がする。中学、1年生くらいの時だと思ったが、自信はない。あの時は、確かが「人生初めてのカラオケに行きたい!」とか何とか言って、俺の奢りで3時間も歌った気がする。(俺はまったく歌わなかったのに俺の奢りって)その後暫くは金欠で、缶ジュースも買えなかった。 そんなことを考えてると背筋がぞうっとして、思わず財布の中身がいくらか頭の中で計算しそうになった。 に引っ張られてやって来たのは、近所の公園だった。奢ることにはならなそうだ。 「隆也ー!こっちこっち!」 着いた途端、は俺の手から離れて、幼児サイズの滑り台をスニーカーでトントンと上がって行った。俺には上がれそうにないサイズだ。 「あのな、流石に上がれねえよ」 「そんな事いいから!今から滑るから、トンネルやって!!」 お前は幼児か。思わずそんなツッコミをしたくなる。 俺は滑り台に近寄り、滑り台にトンネルのようになる様、腕を置いた。なんだかんだ言って、昔から俺はに甘い、らしい。 上からツルツルと音を立て、俺の腕の下をくぐったは満面の笑みで「次はこれ!」と言ってブランコのほうへ駆けていった。俺は、溜息を一つ吐きながら、の後ろをのっそりと歩きだした。 「はあーっ、久々にいっぱい遊んだね!」 「お前、鬼ごっこなんて、高校生にもなってやらねえよ」 「だって懐かしいんだもん!いいじゃない隆也も楽しそうだったし!」 「うっせ!」 「でも隆也は野球してる時が1番楽しそうだよね」 いいなー。私も野球したい!なんて疲れた顔で笑った。 「お前は俺の応援してればいいんだよ」 手をの頭にのせて、髪の毛をぐしゃぐしゃにしてやった。髪の毛がぼさぼさになるでしょー!と怒って、俺を弱い力で殴った。 「あのねえ、隆也にね、今日渡したいものがあったの」 なんでしょー。ニヤニヤしながら、青い鞄の中からゴソゴソとなにやら取り出してきた。小さなそれは、少しいびつなお守りだった。真中に「健康!」と効き目のなさそうな文字が刺繍されていた。 「はい!頑張って作ったんだから大切にしてよねー!!」 俺の手の中にそれを無理やり押し付けると、はさっと鞄を取って公園の入り口まで駆けていった。公園を一歩出たところで、顔だけこっちをむいて、 「隆也誕生日おめでとう!!」 はそう言って、恥ずかしそうに微笑んだ。そして何も言わずにたったかと走って行った。去年も一昨年も誕生日プレゼントなんて貰わなかったもんだから、すっかりくれないものだと思っていた。 雨上がりの空に、さあっと虹がでた。 俺はポケットから携帯を出して、ボタンを何度か押して、そしてしまった。 今頃、は携帯を見てどんな顔をしているのか、それを思い描くのが楽しみだ。 好きだなんて言ってやらない お守りサンキューな |