ああ!にこりと微笑むその笑顔、まさに理想の王子様!もうオーラから違うというか?隣に座ってる馬鹿ザルとは大違いみたいな?
私は来るときに向けて胸を高鳴らせた。教室の時計の針があと5cm動けば、その愛しの王子様がこの教室にやってくるのだ。
そう思うと落ち着くことができなくなった。顔が強張りっぱなしだ。
彼と出会ったのは、隣の馬鹿ザルに野球部を見に無理やり引きずられていった時のことだった。野球部のグラウンドには数えるほどの人しか居なくて、そう言えば悠一郎(もとい馬鹿ザル)が今年からの新設なんだ!とか行ってた気がする。としみじみしてた時、
そう、まさにあの笑顔にやられたのよ!垂れ目のくせに目つきが悪い男の横に立つ、スマイルプリンスを!!
私は一瞬でノックアウト!ナイススマイル!連れてきてくれてありがとう悠一郎!今お前を力一杯抱きしめたい気分だよ!なんて感じに落ちちゃったわけよ。恋と言う名の落とし穴に。うん。(表現が古い、と言うかチョイスが古い)

私は悠一郎の声で我に戻った。「なーなー、ー」そうよ、今は授業中だったわ。冷静になるのよ、びぃーくぅぅぅうううぅうる!



「なーなー、ー!」
「何よ悠一郎。」
「お前さ、今栄口のこと考えてるだろ」



何言っちゃってるのお前!?ホント冗談良子ちゃんなんですけど!クラス中に響いてるよ君の声!ほんと逝っちゃってるよ!
いや、考えてましたよ?!考えてて何が悪いんだチクショー!「何も悪くないと思うぜ!」心読むな馬鹿ザル

拳に少しだけ力が入る。誰かコイツを私の代わりに殴ってください。(必願)



「何で、わかるのよぅ」
「顔が超ニヤけてたから」
「し、失礼な!ニヤけてませんっ」



クラスの雰囲気が明るくなった。私の犠牲でな(悠一郎は後で保健室送り決定)
そこから悠一郎は三橋くんに話しかけ始めてしまった。なんか楽しそうだ。隣の席なのに意外と会話が聞こえないんだな・・。
え、いあ、いや、その、かまってもらえなくて拗ねてるわけじゃないから!寂しいとか絶対違うよ、ホントに。
笑われたままって言うのが、何となく悔しいって言うか、その。あれだよ。

私は王子が来るまで1pをきった時計を見つめて、この時間内でどんな復讐ができるか考えることにした。
あ、あと1分か。ゆ、勇人くんが、来るまで。と言うことは、ちょっと乙女チックになるけど、勇人くんと私の距離は1cm。
1cmの距離ってロマンチック!チャイム早くならないかなー。悠一郎への復讐なんてどうでも良くなっちゃった。
すると再び悠一郎は私のほうに満面の笑みでこちらを向いた。い、嫌な予感ー。ものっそい嫌な予感するわ。昔からこいつは何か思いつくとこういう顔をする。 そう言うのは大体私の利益にならないことか私が不利になることばっかり。時々良い事もある。この前は虹を見せてくれたようなきがする。いやーアレはマジ綺麗だった。



「なーなー、−」
「(さっきと同じだ)何よ悠一郎」



例え会話がさっきと同じでも、さっき私が嫌がったのがわかったのか、今度は小声で話してくる。
小声だから聞き取りにくくお互いが椅子を寄せる。そのキョリ目測で2.5cm。案外近いのね。



「俺さー」
「うんー」





が好きだ」
「は?」



ばっと悠一郎のほうを見る。途端に柔らかい感触と、生々しい体温、鼻に少しかかる悠一郎の息、それが唇へと降り注いだ。
そしてソレは軽く音を立てて私のソレから離れていく。軽くクラス中の視線を独り占めしているような気がする。
でもそんなこと気にならないのだ。だって、だってだって、

目の前で笑う君以外、目に入らなくなってしまったんだ。

悠一郎の顔から目が逸らせなくて、その嬉しそうな笑顔に惹きこまれていく。胸が高鳴って、耳から音が出てきちゃうんじゃないかと思うくらいに五月蝿かった。悠一郎が触れた唇は未だに熱を逃さない。それどころかその熱を増しているようにさえ思えた。

チャイムと同時に我に返る。クラスはざわめいて、悠一郎を茶化す声と、数人の女の子がキャーキャー言ってる声が入り混じってた。
そっか、私。悠一郎とキスしたんだ。



「うわぁ・・・っ」



思い出して思わず赤面なんて恥ずかしすぎる。私はそっと俯いた。唇を押さえてその熱を指先で確認するようになぞった。
背筋が自然とゾクゾクする。腕に鳥肌が立つ。勇気を出して、私は顔を上げてみた。
その悠一郎が、少しだけ、少しだけだからね!輝いてて、眩しかったのと、お、王子様に見えたのは、悠一郎以外には内緒だ。







































その距離0センチ



メートル
(「ゆゆゆう、悠一郎、今の、」「おう!俺に惚れてもらう為の宣戦布告な!」「うぐっ(凄い、眩しい)」「もう一回!」)


























悠一郎はクラスのど真ん中で、私の顔に手を添えて熱いキスを落としてきた。
その時たまたま視界の端っこに、顔を赤くした元・王子様(脳内の)栄口くんがいた。
恥ずかしかったけど、まあ、わがままな王子様がお望みとあればキスの1つくらいどうってことないよ。



























070801 何この話。書くのが恥ずかしかった。特に最後のほう!田島完全にキャラが違う、でも攻め攻めだから許せそう・・・。ちなみに僕は栄口くん好きですよ。むしろ西浦ナイン大好きです!特に阿部と田島が!